第46回 スマホを買い与えるときの親の覚悟

最近世間を騒がせているポケモンGO。
これは、スマートホン用のゲームですが、
中学生が、スマートホンを利用することについて、どう考えますか?

今回は、このことについて、考えたいと思います。

塾としては、オススメポイントはある

インターネットが普及し始めたころから、「ググる」とか、「google先生に聞いてみよう」とか、
そういう言葉が流行り始めました。

つまり、何かわからないことがあれば、googleで検索して調べてみようということです。

何もかも、インターネットで調べるというのは、どうかという意見もありますが、
分からないことがあれば、とりあえず調べてみようという姿勢は、評価できます。

しかも、最近は、スマートフォンの普及で、
いつでもどこでも、手軽に、とりあえず調べてみることができるようになりました。

後で調べようとか、帰ったら辞書をひいてみようと、そのままにしてしまった経験がありますよね?
しかし、スマホであれば、疑問に思った時、たとえ外出先でも、とりあえず、調べることが可能です。

このように、何か不思議なことや知りたいことができたとき、
すぐに調べることができる環境があるというのは、決して、悪いことではありません。

そして、幼いころから、疑問は調べてみるという癖をつけておくことは、とても良いことです。
昔から、「辞書をひきなさい」、「わからなかったら調べないさい」とよく言われたと思います。

もちろん、調べる方法が、インターネットのみになってしまっては、お話になりませんが、
調べるという発想行動をつけるという意味では、スマホは非常に役に立ちます。

いずれ、スマホでは不十分になり、もっと他の方法で調べなくてはいけないときが、来るでしょう。
その時、とりあえず調べるという癖は、確実に役立つことでしょう。

スマホを使っている中学生はバカ?

しかし、以前、過激なことを言っている人がいて、
スマホを使っている中学生って、絶対、成績悪いよね」と。

確かに、なんとなくそんな印象を受けるので、
実際に、成績上位者ヒアリングをしてみたことがあります。

その結果、ヒアリングした成績上位者は、誰もスマホを利用していませんでした。

ヒアリングしたのは2年前の話ですし、ヒアリングした人数も決して多くないので、
なんとも言えないのですが、そういうことです。

このため、「スマホを使う中学生は、成績が悪い」は言い過ぎでも、
少なくとも、成績上位に食い込むためには、スマホは邪魔ということは言えるのではないでしょうか?

1度、きちんと統計を取ってみると面白いと思います。

塾として、スマホを手放しで勧められないのも事実です。

なんでキッズ携帯があるのか?

そもそも、なんで一般的な携帯電話の機能を制限したキッズケータイがあるのかを考えてください。
機能を制限するなど、不便以外の何物でもありません。

機能を制限することにより、コストダウンが見込めるのであれば意味がありますが、
キッズケータイの意味はコストダウンではありません。

キッズケータイは、防犯等の理由から、子どもに携帯電話を持たせたいが、
大人と同じ機能の携帯電話を持たせることに不安であることから生まれました。

では、何が不安なのか?
それは、制限されている内容を調べてみるとわかります。
Docomoのキッズケータイを調べてみると、次のような制限がかけられていることがわかります。

  • 電話・メールの使用制限
  • インターネット(iモード)の利用不可
  • カメラなし、TVなし

Docomoでは、このような制限をかけています。
要は、何もできないということです。

Docomoは、子どもにとって、これらの機能がになると判断しているということだと思います。

まず、1番に思い浮かぶのは、インターネットの危険性

これは、10年以上前から、ニュースで事件のたびに騒がれています。
出会い系サイトなどで知り合った人とそのまま犯罪に巻き込まれるケースです。

次に思いつくのが、使いすぎです。
子どもは何も考えず、際限なく使ってしまい、とんでもない請求が来たなんて話は、よく聞く話です。
使いすぎることのないように、キッズケータイは、通話にも制限がかかっているのでしょう。

使いすぎには、2つの危険があり、1つは、使いすぎによる利用料の問題。
しかし、最近は、定額のプランが主流になっているので、
これは、今となっては、あまり関係ないでしょう。

2つ目は、使いすぎによる時間の消費。
友達とついつい長話なんて、大人でもよくある話です。
電話が終わると、もうこんな時間。宿題してない・・・
これも、ありそうな話です。

また、交友関係を保護者が把握できないことも問題です。
保護者も知らない犯罪者と連絡を取り合っていたなんてことにならないように、
通話やメールに制限がかけられていることも考えられます。

カメラも子どもにとって危険なものです。
撮って良いものと、撮ってはいけないものの区別は、大人でもしかねます。
悪ふざけで、同級生を殴っているところを写真に収めたり、
自分や同級生の裸の写真を撮ってみたり・・・

悪ふざけのつもりが、大騒動になったなんて話は、その辺りにゴロゴロしています。

キッズケータイにはこういった制限があり、制限があるということは、
それは、子どもにとって良くないということをしっかり抑えていなければいけません。

子どもは喧嘩をする生き物

何においてもそうなんですが、それ自体が悪いのではなく、使う人間が悪いのです。

GPSだって、元々は軍事目的で開発されたものです。
つまり、人を殺すために開発されました。
しかし、今では、非常に身近に、そして、なくてはならないものになっています。

子どもはすぐに喧嘩します。コミュニケーション能力の低い子どもは、必ず喧嘩します。
大人でも喧嘩をするのですから、子どもがしないわけがありません。


そして、喧嘩をするとき、何も考えずに、周りにあるものをなんでも使います。

その時、喧嘩の道具として、目の前にあるスマホも間違いなく喧嘩の道具にします。

スマホを使って、Lineで悪口を広めたり、仲間はずしをしたり、掲示板やSNSで誹謗中傷したり・・・
やっていることはいつの時代も変わりませんが、
インターネットの世界は、見えやすいようで見えにくく、対応が後手になることが多いです。

しかし、子どもが喧嘩することは悪いことではなく、(いえ、もちろん悪いのですが、)
人間の成長過程で、必要不可欠なことで、喧嘩したほど、人は様々なことを学び成長します。

3歳の子どもに包丁を買い与えるバカはいないと思います。

普通に使っていても、ちょっとしたミスで大きな怪我につながります。
それが包丁です。

また、その場に包丁があれば、子どもは何も考えずに殴り合いの喧嘩に包丁を使うでしょう。
喧嘩に包丁を使うと、病院送りでは済まないかもしれません。

しかし、それでも子どもに包丁を使わせたいときは、どうしますか?

おそらく、その場について、しっかり監督することでしょう。
そして、勝手に使っていたら、激しく叱責することでしょう。

中学生にとってのスマホも同じです。

何かあっても保護者の責任

もし、様々な事情でスマホを買い与える判断をしたなら、
保護者が、保護者の責任でしっかりと監督してください。
中学生にとってのスマホは、3歳の子どもの包丁と同じです。

使い方を誤れば、死にも直結します。

大人は自分の責任のもとで道具を使います。
しかし、子どもたちは誰の責任で道具を使うのでしょうか?
子どもたちの責任は、保護者が背負うことになっています。

使い方を誤っていないか、毎日チェックをして下さい。
これが、スマホを買い与えた保護者の責任です。

責任を果たせないのであれば、周りが迷惑ですので、与えないでください。

もし、スマホで何かのトラブルに巻き込まれたとしても、
それは、だれの責任でもない、
スマホを買い与えた保護者の責任であることをしっかりと自覚してください。

こちらもチェック


Back    

Home