第76回 R2年度愛媛県立入試(理科)

今回は、先日行われた県立入試を以前書いた出題予想をもとに、
考えてみたいと思います。

問題と解答の速報は、こちら

分野ごとに、第74回で書いた予想を振り返り、出題内容を確認します。
青字が外れ、赤字が正解。

過去の出題傾向は、こちら→数学理科

物理分野

今年は、回りとしては、電気小問に回る年になります。
電磁誘導陰極線の問題辺りが、今年こそ出るかも?
小門に回る年なので、オームの法則や、ワット数の計算、去年出題された磁界など、
ややこしいのは、捨てても良いかもしれません。

3年生の分野からは、の問題が出そうです。
合力・分力垂直抗力力のつり合い作用反作用の法則慣性の法則斜面での力のはたらき方などは、復習しておきましょう。
これらの単元で、大問を作るのは難しいので、もしかしたら、見たことのないような、
意外性のある問題が出る可能性もあるかもです。
力の復習をするときは、一緒に1年の力の復習をするのも忘れないようにしましょう。

1年生からは、フックの法則辺りがくさそうです。
仮に、3年で力が出なければ、フックの可能性が高くなるのでは?
逆に、3年で力の問題が出れば、の可能性が高くなるのではないでしょうか?
去年がなので、音の復習は軽めで良いでしょう。

物理分野は、今年も驚異の正答率。
まさかの光とフックの両方が出てくるとは、予想外でしたが、
両方共を要チェック単元にしているのがなんとも。

電気は、小問に回るところまでは当てましたが、
オームの法則のそれも、かなり面倒くさい問題が出てしまいました。
この問題は、15年くらい前に大問で類題が出題されていましたが、
こんな問題をしっかり考えていたら、時間が足りません。
軽く流しておくことのが吉です。

どの問題も、難易度はそこそこ高く、正答率は低そうです。
特に、小問が、小問になっていません。
本来は、大問3が小問に回るべき問題で、こういう順番になったのは、おそらく、スペース問題だけかと。
そろそろ、大問、小問にこだわるのは止めた方が良いかもしれません。

取りに行かなければいけない問題を落とさずに取れたかが、勝負を左右しそうです。

化学分野

回りとしては、1年生の身のまわりの物質の問題小問に回る年です。
と言っても、去年も同じことを書いていますが。
水溶液に関する問題が去年出ているので、今年は、密度メスシリンダーあたりが要チェックかな?

仮に、この予想が的中した場合、おそらく、かなり面倒な問題構成になると考えられます。
しっかり読めれば、基本問題だけれども、実験の条件やデータを読み解くのに苦労する、
あるいは、無意味に問題文が長いということが予想されます。
どうなるかな?

2年生の単元からは、酸化と還元に関する問題が出そうです。
これも、去年もそう書いていますが・・・・
ここ5年中、3回質量保存に関する問題が出ているので、
酸化・還元に関する質量保存は、シミレーションしておいた方が良いかも。
他にも、化学変化と熱は、そろそろ出るかもしれないので、チェックしておきましょう。
これも、去年と同じ。

3年生の単元からは、イオンの問題が出るのは間違いありませんが、ここ3年、小門に回っています。
今年は、ガッツリでると予想しますが、中和以外
で、何が出るかは、予想しずらいです。
そのなかでも、塩化銅の電気分解要チェックかな?くらいです。

去年も書いていますが、酸・アルカリの電気泳動の問題は、まだ出ていないので、そろそろ来るかも?

まあまあの正答率です。
メスシリンダーと密度の的中は、お見事。
しかも、かなりの変化球。ある程度面倒な問題を予想していましたが、
ここまで面倒な問題を作ってくるとは予想以上です。

電気泳動の問題は、やっと来たという感じ。
内容自体は、そんなでもありませんが、問題文が長い。
ちゃんと読めないと得点は難しいです。

2年生の化学変化と原子分子の単元は、見事に外しました。
久しぶりの炭酸水素ナトリウムの分解でした。
基本中の基本の単元ですが、こちらも変化球が多いので、
取れるところで、ちゃんと取れたかが勝負の分かれ目かも。

生物分野

食物連鎖に関する問題は今年はお休みの回りです。
3年生からは、メンデルの法則が、小問でさらっと出るかも?
これも、おそらく、無駄に文章が長い問題構成になるでしょう。
よく読んで状況把握ができれば、中身は軽めの簡単な問題となるでしょう。
となると、去年も書いたような、血液型で攻めてくる可能性は、あるかもしれません。
今年こそ、花子さんと太郎君の血液型が分かるかもしれません。

1年生からは、植物のからだのつくり全般を復習しておきましょう。
1年生の植物分野は、点をとりに行く単元です。
しっかり復習をして、点を取りこぼさなくて済むようにしましょう。
何が出ても良いように、確実に押さえておきましょう。

2年生からは、動物の分類に関する問題かな?
進化に関する問題も要チェック。

去年外しているので、去年と同じ予想です。

3年の内容が小問に回ることは当てましたが、内容はまさかの食物連鎖の単元。
完全に大外れ。酷いですね。

2年生は、見事的中。
問題は、コウモリが哺乳類であることに、パッと気がつくかどうか。
良く考えると、そう判断しないと問題が解けないんですが、
どのくらいの時間で、そこにたどり着けるかが、勝負の分かれ目かもしれません。

1年生の植物の問題は、書きはしませんでしたが、
光合成や呼吸に関する問題は出ないだろうと考えていました。
出ちゃいましたね。この単元は、今年予想できなかったので、しょうがないです。

地学分野

小問に回るのは、1年生の単元だと思います。
地層関係の問題を軽く聞いてくる気がします。
化石に関する問題は、要チェック。

示相化石、示準化石の違いは、おさえておきましょう。

2年生の天気は、水の循環の単元が要チェック。
雲のでき方湿度は、要復習です。特に、湿度の計算は、できるようになっておきたいところです。
ついでに、乾湿計の使い方もおさえておくと良いでしょう。

3年生の天体からは、月の満ち欠けかな?
月の満ち欠けを復習するなら、ついでに金星の満ち欠けもおさえておきましょう。
月つながりで、ついでに、月食日食などもチェックしておきましょう。

小問は、ビックリするくらいの的中。化石の件まで当たりました。
ただ、2問目は簡単ですが、1問目の聞き方が回りくどいです。
この問題、正直、柱状図は必要ありません。
しかし、柱状図を中心に問題が展開します。
しっかり読み取れたでしょうか?

2年生の天気の問題は、全く外れ。
内容もビックリするくらい、置きに来た問題です。
ここで取りたいところですが、天気の問題は、一般的に正答率が低いので、どうなるかな?

一転、3年生、天体は、難易度が高いです。
出来たかな?ちょっと厳しかったかも。
月関係の問題が出るかな?と予想していましたが、この切り口は、予想外です。
取りに行く問題と、難易度の高い問題を見極めて、取りに行けたかがポイントです。

総合所見

去年と同じで、読ませる問題が多いです。
今年は、ダミー数字はありませんが、問題に直接関係のない記述や図が散見されています。

だからと言って、去年のような、読み込めばヒントが散りばめられているという問題も見当たりません。

つまり、しっかり読んで、知識をひねり出す問題ばかりと言うことです。
こういう問題が散見する場合は、知識レベルは低くなることが多いのですが、
今年は、そんなに低くないのも気になります。

また、知識レベルが低い問題でも、問題が変化球になっていることが多いのも気になります。
打ちごろの球でも、変化球となると、途端に打ちにくくなります。

全体的に、難易度は、まぁまぁ高いと言えるでしょう。
その分、記号問題は、多くなっているような印象ですが。

ちょっと、平均点は気になります。

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