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                   コロナ騒ぎに乗じて、突如、学校の9月始業の話が浮上しました。 
                  非常に怖いことが起こっているので、今回は、これについて書いておきます。 
                  そもそも9月始業って?
                  欧米などの主要先進国は、学校の始業時期が、9月である国が多い多いです。 
                   
                  ですから、例えば、日本の高校を卒業した後、アメリカの大学に進学したいと考えたとき、 
                  日本の高校を3月に卒業し、アメリカの大学に4月に入学ということが出来ません。 
                   
                  どうしても、アメリカの大学に進学するとなると、半年、待たなければいけないということになります。 
                  これって留学するときに、どうしても日本人が不利になるよねって話です。 
                  もちろん、逆もあり、アメリカの高校を卒業し、日本の大学に入学したい場合も、 
                  半年、待たなければいけないことになります。 
                  これも、留学生を集めるに当たり、不利になるよねって話もあります。 
                  そこで、欧米諸国に合わせようという議論が、30年以上も前からされています。 
                  そこで、留学生を集めるという点に関しては、多くの日本の大学では、 
                  9月入学、9月卒業をいう制度も作って対応しています。 
                  しかし、9月始まりの国が多いだけで、 
                  その国、その国の事情や文化により、国によって様々であることも、 
                  念頭に置いておく必要はあります。 
                  軽く調べてみたところ、オーストラリア、シンガポールは1月、 
                  韓国は3月、フィリピンは6月だそうです。 
                  その国々の文化や事情でまちまちであることがわかります。 
                  ただ、G8で、秋始まりでないのは、日本だけのようです。 
                  賛成か?反対か?
                  で、ここにきて、コロナ騒ぎのどさくさに紛れて、急にふって湧いたのが、この9月始業です。 
                  メリット・デメリットは色々あるかもしれません。 
                   
                  欧米諸国に合わせて、留学しやすくなり、逆に、留学生を受け入れやすくなるのは、利点でしょう。 
                  しかし、桜が咲いたら1年生というのは、日本の文化です。 
                  冬を乗り越え、春から新しいスタートを切るというのも、世界的な文化です。 
                   
                  しかし、こんなものは、数年経てば、どうでもよくります。 
                  ですから、個人的スタンスは、賛成でもなく、反対でもなく、 
                  「良いようにすれば良い」というのが、立ち位置です。 
                  このタイミングで、9月始業はありなのか?
                  しかし、この混乱に乗じて、今年から9月始業に変えてしまおうというのは、反対です。 
                  確かに、9月始業に変えるには、絶好のタイミングです。 
                  これを逃すと、実施する次のチャンスは、2度と訪れないかもしれません。 
                  しかし、こういうことは、 
                  時間をかけて、じっくりと検討して、じっくりと準備をして、変えていく必要があります。 
                  中村愛媛県知事の見解を、全面的に、支持します。 
                  
                    「9月入学制」についても「議論を進めることに異論はないが、性急な導入には反対する」と表明。社会全体の受け入れ態勢なく進めることは就職や受験など学生の人生や、企業に大きな混乱を招きかねないとした。 
                    
                   
                  この件は、複雑です。例えば、小学校だけが決めて実施するわけにはいきません。 
                  小学校、中学校、高校、大学をはじめとする各種学校はもちろん、 
                  幼稚園、保育所、各企業など、影響は多岐にわたります。 
                  それこそ日本中が、しっかりと準備をして、足並みをそろえて、 変更しなければいけません。 
                  学校は、ずらすだけなので、大きな影響なく実施できるかもしれません。 
                  しかし、企業はどうでしょうか? 
                  このコロナ騒ぎの下、突然のスケジュール変更に対応できるでしょうか? 
                  そこまでの影響を考えて、実施する必要があります。 
                  この混乱に乗じて、十分な議論をせず、実施するような、そんな軽いものではありません。 
                  準備が不十分で、結局、被害を被るのは、子どもたちであるということを忘れてはいけません。 
                  問題はそれだけではない
                  しかし、問題はそれだけではありません。 
                  このコロナ騒ぎが、9月で収まるのか、そこまで考えなければいけません。 
                  9月始業にすれば、万事解決とはいかないかもしれないことを、 
                  可能性の1つとして考えておかなければいけません。 
                  IPS細胞の山中伸弥教授は、今回のコロナウイルスの収束の可能性として、次の3つを上げています。 
                  
                    三つしかない。一つは季節性インフルエンザのように気温などの理由でコロナウイルスが勢いをなくすこと。だが気温にかかわらず世界中でまん延していることからすれば、そうでない可能性は高い。そうなると後は二つ。ほとんどの人が感染して集団免疫という状態になるか、ワクチンや治療薬ができることだ。ワクチンや治療薬は1年ではできないのではないか。最低1年は覚悟しないといけない。 
                    
                   
                  ワクチンや特効薬が、明日、できたとしても、治験や認可は、年単位で先となります。 
                  ですから、これらによって、9月に終息することはありません。 
                  2つ目の集団抗体をつけるというのも、これも、現在の封じ込め作戦では、期待できない。 
                  仮に、封じ込めに成功したとしても、これだけ世界に蔓延したウイルスですから、 
                  本格的に鎖国しないことには、また、いつ、再び入ってくるかわかりません。  
                  となると、この新型コロナウイルスとの戦いは、 
                  年単位の長期戦になるとの見方が強いということです。 
                  であれば、9月以降も、順調に学校で授業ができるかどうかもわからないということになります。 
                  しかし、新型とはいえ、コロナウイルスである以上、 
                  これから気温と湿度が上がる6〜9月にかけて、ウイルス自体が弱る可能性はあります。 
                  ただ、熱帯地域でも蔓延しているので、本当に弱るかは期待が薄いようですが・・・ 
                  また、気温が上がると、人間の体温も上がり、抵抗力が強くなるはずです。 
                  これも、上がりすぎると、逆に下がるでしょうが・・・ 
                  さらに、現在の封じ込めも、一定の効果が出てきています。 
                  以上の観点から、夏の間は、授業ができる可能性が高いと考えています。 
                  夏休み返上で、授業をすることは、ほぼ間違いないでしょうから、 
                  この3か月の授業は、重要で貴重です。 
                  せっかく、公立学校にエアコンをつけた(つけ始めた)のですから、 
                  フル稼働で、授業をすれば良いと思います。 
                  しかし、9月始まりと決めてしまい、嬉しそうに「夏休み」をとってしまうと、 
                  冬に第2波が来たとき、それこそ、取り返しのつかない事態に陥る可能性が出てきます。 
                  あくまで、可能性ですが。 
                  ですから、夏の間に、可能な限り、授業をしっかりやっておくということは、非常に大事だと考えます。  
                  つまり・・・
                  9月はじまりの本格的議論よりも、これから数年、本当に子どもたちが、 
                  順調に学校へ行き、勉強することができるのかということを議論すべきです。 
                  できるときに、やっておかなければ、それこそ、取り返しがつきません。 
                  どさくさに紛れて、9月はじまりに変えても、本質的に何も解決しないことを理解すべきです。 
                  この観点が、議論において、欠落しているとことが、非常に怖いです。 
                  なお、 引用のない見解は、理科の先生の個人的見解です。ご注意ください。 
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