第83回 R3年度愛媛県立入試(理科)

多忙のため、遅くなってしまいましたが、今年も、県立入試の総括をしていきたいと思います。

今回は、理科について、以前書いた出題予想をもとに考えてみたいと思います。

問題と解答の速報は、こちら

分野ごとに、第82回で書いた予想を振り返り、出題内容を確認します。
青字が外れ、赤字が正解。

過去の出題傾向は、こちら→数学理科

物理分野

今年から教科書が変わり、力の単元で、学年移動、分野移行が行われました。そのため、学年ごとの予想が難しいです。
見ものとしては、圧力の問題が出るとすると、物理分野での出題なのか、地学分野での出題になるのかということ
こういう微妙な状態だと、今年は出題されないと考えるのが妥当です。

1年生からは、順当に行けば、辺りです。
光学台の問題は、かなりにおいます
音が出るとしたら、軽く聞いてくると思うので、復習は、適度に。
力の問題は、今年は休みだと思うので、3年の力の問題出ても困らない程度の軽めの復習を。

2年生の電気は予想が難しいです。
ここ数年で、問題が出尽くした印象です。
何が出てもおかしくないといったところです。
その中で、ちょっとにおうのは、磁界関係の問題です。
フレミングは要復習。変化球で、モーターの原理等も来るかもです。


だからといって、他を捨てても良いような雰囲気でもないです。

無理なら、電気全体を捨てる選択をしたほうが良さそうです。

3年生も、予想が難しいです。
あえて言うなら、仕事とエネルギーの分野が臭そうです。
仕事の原理は、要復習といった感じです。

物理分野の予想は、まぁ、なんとなく正解?的な雰囲気。
大問1問目は、電気。
まさかのオームの法則の基礎中の基礎の問題。
苦労する問題ではありません。

大問2は、力の問題。
基礎問題ではあるんですが、かなり癖を感じる問題。
知識レベルとしては、3年生の力問題を解けるように復習しておけば十分対応できる問題ですが、正答率は高くはなさそうです。

大問3は、3年の運動とエネルギーの分野。
問題のレベルは低いのですが、(1)と(2)に関連性が無いのが気になります。
無理に関連付けようとして戸惑うと、きつかったかな?
よく読んで、何を聞かれているのか、把握できれば、簡単だったと思います。

小問は、光。予想通りと言えば、予想通り。
基本がわかっていれば、非常に簡単です。

全体的な難易度は、非常に簡単ではないかと思います。
ただ、何を聞かれているのか、問題のストーリーを把握できたかで、難易度が変わったかもしれません。

普通に勉強していれば、余裕ですね。

化学分野

H29年から、2年生の化学分野が大問で出続けています。
そろそろ回りとしては、2年生の化学変化と原子・分子小問に回ると考えたいところですが、今年も大問かもしれません

近年、質量保存系の問題が出ていないので、そろそろ来るのではないかと。
去年が還元の問題なので、還元の復習は軽めで良いです。
あと、臭いのは、化学変化と熱の単元。小問に回るとすると、このあたりが要注意。

3年からは、おそらく、電池関連の問題。
今年から入ったダニエル電池と、イオンのなりやすさは、しっかり復習をしておいた方が良いかと。

電池関連の問題が出なくても、中和の問題のような、
おそらく、単純な問題ではなく、深く掘ってくる内容となると思うので、
しっかり復習しておくのが吉だと思います。

1年生からは、大問でも小問でも軽く来るのではないかと。
気体
溶解度系が要注意なような気がします。
全体的に復習しておきたいところではありますが、時間が無い場合は、その辺りを中心にすることをお勧めします。

いずれにしても化学反応式イオン式が書けることは必須です
しっかり復習しておきましょう。

驚異の正答率。ほぼ完璧に当てています。

大問1は、今年から教科書に登場したイオンのなりやすさとダニエル電池。
難易度は、基本問題。しっかり復習していれば、問題なく解けたのではないでしょうか?

大問2は、マグネシウムと銅の酸化に関する質量保存の法則に関するお約束の問題。
難易度は、こちらも基礎問題。ただ、この単元は、どんなに簡単でも、なぜか、皆、解けないので、正答率は高くないかな?
でも、何のひねりもないお約束の問題です。ちょっと(3)は、お約束からは外れていますが、基本問題の域を出てはいません。

小問は、気体。これも、完璧に当ててます。
簡単すぎて、どうしようという問題。
西高受けたような子は、なめられているとと思ったことでしょう。
ただ、問題文が読み取れなければ、撃沈です。

大問では、問題として選ばれている単元が、点を取りにくい単元のため、正答率は低いかもしれませんが、
問題自体は、基本問題の域を出ていません。
化学式、化学反応式が必須であることを、改めて、確認させられた印象です。

物理に続き、しっかり復習していれば、余裕です。

生物分野

3年の内容としては、花粉管玉ねぎの根あたりが臭そうですが、何とも言えません。
どこが出てもおかしくない気がします。

そして、昨年、コロナの関係で、出題されなかった食物連鎖が、回り的には、出題される年ですが、どうでしょう?

結局、食物連鎖の問題が出て、遺伝・生殖の問題は出題されないというパターンも十分にあり得ます
予想が難しいです。

2年生の内容としても、予測不能です。
近年、植物も動物も単元的には、出しつくしている感じがします。
何が出ても驚かない状態です。
あえて言えば、動物からは神経系呼吸系が要注意。
植物からは、蒸散光合成呼吸あたりが臭そうです。

1年生の内容としても、予想が難しいです。
というのも、過去の傾向から、分類の問題はあまり積極的には出題されていません。
そのため、近年出題されていると言えば、R2年の脊椎動物の分類くらいです。
となると、何が出る?って話になってしまいます。
それでも、無理矢理予想するなら、種子植物の分類でしょうか?

1年、2年ともに言えることですが、今年から、植物と動物を同じ単元で扱うようになりました。
と言うことは、植物と動物の比較をするような問題をつくりやすくなったということです。
今年、すぐに出題するとはあまり思いませんが、そういう問題も警戒しておいた方が良さそうです。

やはり、予想困難でした。

思ってた以上に、置きに来た感じで、基本的には、お約束の問題の連発です。
そういう意味では、大きく外したとも言えます。

大問1は、植物のからだのつくりの問題。まさかの維管束フィーチャー。
内容は、、いろはの「い」みたいな簡単な内容。

大問2は従来型の食物連鎖関係の問題。
基本問題です。

小問は、動物のからだのつくり。
基本問題ですが、問題が何をさせたいのか、何を聞かれているのかを読み間違えると、大変なことになります。

難易度は、非常に簡単。ひねりもありません。

地学分野

1年生の単元からは、火山だと思います。火山の単元はしっかり復習しておきましょう。
復習の優先順位としては、次いで地震、そして、地層です。
地震・地層に関しては、軽めに復習しておきましょう。

2年生の天気は、予想が難しいです。
ですが、気象観測の結果(湿度・気温・気圧・天気・風向風力)を1つまとめたグラフが臭そうです
他に、優先して復習しておきたいのは、低気圧と前線台風なんかもあやしそうです。

3年の天体からは、日周運動あたりが要注意。
星が何時間後に、どこに動いているかという問題なんか出そうです。
となると、年周運動との抱き合わせも出題できるので、そちらも要注意。


あとは、季節に関する問題季節風もついでにチェック。
4つ(3つ)の気団も復習しておきましょう。

太陽は、でるかな?微妙。コロナを答えさせることはないと思います。

天体は、今年も完璧に外しました。でも、それ以外は、まぁ、ボチボチです。

大問1は、火山。予想通り。
これ以上簡単な問題は作れないというくらい簡単な問題。
余裕です。

大問2は夏の天気。簡単です。
海陸風は、ダークホースでしたね。
わかっていれば、超簡単。わかっていなければ、とばしましょう。

小問は、金星の問題。
内容としては、いろはの「い」と言ったところ。
問題文が長いので、よく読んで理解できたかどうかがポイントになりそうです。

地学も、簡単すぎる印象です。
余裕ですね。

簡単すぎて、だんだんコメントするのがバカらしくなってきました。

総合所見

例年にないくらい、簡単な問題ばかりでした。
理科の知識としての難問はありません。

要は、隅々まで、しっかり復習しているか、そして、問題文をきちんと読めているかで、勝負が決まりそうです。

傾向としては、問題文の量は相変わらずですが、読まなくても解けるんじゃないのかという問題も散見しました。
先祖返りの傾向が見られるような気がします。

一方で、小問で、若干の冒険までいかないですね、旅くらいかな?をしている感じです。
とにかく、小問は、無駄に問題文が長いです。それでいて、読む量の割に問題数が少ないので、点にならない。
やっかいです。
新センター試験を少しだけ意識しているような気がします。でも、少しです。

全体的に見て、「読ませる」は健在ですが、「考えさせる」は完全にどこかへ行きました。

これは、ちょっと、県教委の方向性がわからなくなってきました。

全国的には、新センター試験を意識した高校入試がトレンドです。
愛媛県も、今まで、そこに向けてマイナーチェンジを繰り返していた気がしていましたが、どうも、そういう訳でもなさそうです。

仮にこの傾向が続くなら、教科の勉強よりも、読むことのトレーニングをした方が、得点はしやすそうです。

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