第33回 教科や単元の関連性と知識の積み木

前回、積み上げ型教科と独立型教科の知識の積み上げ方の違いの話をしました。
今回は、教科や単元の関連性と知識の積み上げ方について考えてみたいと思います。

中学校では、5教科+技能4教科の計9教科の学習を行います。
この9教科の関連性と知識の積み上げ方を考えます。

9教科の積み上がり方

考え方によって、様々な解釈の方法がありますが、今回は、このような積み木を提案します。

昔から、読み書きそろばんと言われ、生きていく基本は、読むこと書くこと計算すること3つです。

まず、読み書きを担うのが、語学である国語英語です。
そもそも、文字が読めなければ本を使った勉強ができません。
読み書きができるようになることから、勉強はスタートします。

次に、重要なのがそろばん。それを担うのが、中学校では数学となります。

俗に言う主要3教科というやつです。多くの私立高校で採用されている教科です。

さて、数学の勉強をするためには、教科書が読めなければいけません。
語学
の上に数学がきます。

計算、文字の式、関数などの知識を使い、理科の勉強します。

もちろん、単独で理科の勉強をすることは可能ですが、
より深く内容を理解するためには、数学は不可欠です。

その上に積み上げることになるのは、社会科です。

地理では、地形の勉強もします。これは、見方を変えれば理科ですし、理科の教科書にも出てきます。
地理や公民では、グラフの読み取りなども出てきます。
これは、理数教科の知識があれば、より深く理解することができるでしょう。

その上に位置するのが技能4教科と呼ばれる教科です。

家庭科の栄養素は、間違いなく理科の延長線上ですし、技術の製図は、数学の知識を使います。
音楽は、理科の音の単元と密接な関係がありますし、美術の色に関する内容も理科の内容です。


「曲球る」が収録された
虚像の道化師

さすがに体育は関係ないだろうと考えるかもしれませんが、
最近はスポーツ科学という学問が注目されています。

ちょっと古いですが、「高橋みゆきをあと1cm高く飛ばせるには・・・・」と
CMしていた神戸女子大学のCMは、まさにこれですし、
福山雅治主演のガリレオでも、
野球選手の投球を科学的に改善する話が描かれました。

これらは、ほんの一例で、
それぞれの教科や単元が、互いに密接な関係を結んでいます。
必ずしも、図のような順番で積み上がっている訳ではありませんが、
なんとなく、こんな感じで積み上がっているとイメージでしていただけたでしょうか?

積み木は積んでなんぼ

では、各教科単独で積むことはできないのか?と考えるでしょう。
体育は好きだけど、理科なんか勉強したくないとか。

その発想は論外なのですが、解説してみたいと思います。

積み木の遊び方として、横に並べるのも楽しいでしょう。
しかし、それで満足していては、高みに登ることはできません。

積み木というからには、積んで遊ぶ。
それも、どこまで高く積めるか、どれだけ美しく積めるか?ではないでしょうか?

各教科単独で低い積み木を積んでも、高みに行くことはできません。
より深く知識を得て利用するためには、基礎からきちんと積み上げる必要があります。

そのためには、他教科とのつながりを意識して、積み上げていく必要があります。

つまり、国語や英語(語学)、数学(算数)といった基礎をきちんと固め、
その上に自分が学びたいことを積み上げることにより、
より強く高い積み木を積むことができるのです。

もちろん、「そんなに深く知りたくない」、「別にどうでもいい」と思うかもしれません。
しかし、それではせっかく学んでいるのに台無しではないでしょうか?

せっかく学ぶのならば、徹底的に勉強したいところです。

また、その道で高みを目指すならば、
他教科とのつながりとその基礎は、きちんと把握していなければいけません。

理科の先生は数学を教えられる

教科がつながっていることの例として、理科の教員は数学の授業もできますが、
数学の教員は、理科の授業はしかねます。

これは、理科が数学の上に位置するからです。
数学をそれなりに使いこなせているから、理科の勉強ができるのです。

また、理科教員は、より実践的な数学を使うので、
数学の授業としては、数学の教員よりも、わかりやすかったりもします。

もちろん、その道の専門性というものがありますから、
数学教員<理科教員」というわけではありません。
細かいところや、より突っ込んだ内容になると、数学教員の方が、もちろん上です。

したがって、理科を勉強するためには数学が必要ですが、
数学を勉強するためには、理科は特に必要ないということです。

地理の勉強をするためには理科が必要

社会科の中でも地理の地形の形成は、理科の知識が必要です。

理科で地形の学習をするときは、社会でも習ったでしょ?で終わります。
理由は、社会科が理科の上だからです。
その地形の上でどのように生活しているかは、理科の範疇ではないのです。

しかし、社会科では、どのようにして地形が形成され、
その地形の上で私たちがどのように暮らしているかを学ぶ学問です。
理科で学習する地形の形成の基本の上で、その土地固有の地形の形成方法を学習するのです。

もちろん、社会の先生は、理科で習う地形の形成方法を熟知していなければいけませんし、
勉強するときは、理科の復習をしっかりして勉強すると、より深く理解することができます。

これを表面だけなぞるような勉強をしてしまうと、テストで点は取れるかもしれませんが、
ただ覚えるだけの面白くない勉強になり、応用もきかなくなります。

つまり・・・

各教科を独立して考えるのではなく、それぞれにつながりがあるものとしてとらえることにより、
全ての教科をまとめて点数UPすることが可能です。

1つの内容が、それぞれに関係しているのですから、それぞれの関係性さえ押さえておけば、
1つ覚えただけでも、2教科、3教科の点を上げることができるのです。

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